画竜点睛を欠く|50点欠けていた町に、目が入った日

# がりょうてんせいをかく

画竜点睛を欠く

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2026/07/14

種類:その他格言

画竜点睛を欠く

「15,000点」と掲げて実は14,950点——当サイト自身が画竜点睛を欠いていた。原典で目を欠いた竜だけが壁に残ったように、「欠く」とは保存であり、「点睛」とは別れである。ならばダウンロードボタンとは、点睛なのだ。



画竜点睛を欠く|50点欠けていた町に、目が入った日

🐉 まず、自首から始める

画竜点睛を欠く—— 見事に仕上がっているのに、肝心の最後の一筆が欠けている状態をいう。

この記事を建て替えるにあたり、まず白状せねばならないことがある。

当サイトは長らく「15,000点のイラストを閲覧可能」と掲げてきた。 ところが実際に数えると、14,950点だった。

ことわざ・格言の一点ものたちを出し惜しみしていた、例の一件である。 50点欠けた看板——つまり当サイトは、 サイトぐるみで画竜点睛を欠いていたのだ。 ついでに言えば、看板と中身が違うのだから羊頭狗肉でもあった。 二つのことわざに同時に叱られる、器用な状態である。

先日の全面開放で、数字はめでたく15,000を超えた。 看板に、ようやく目が入ったのである。 この記事は、その記念に建て替える。

📜 原典は、思ったより派手な話だった

三年前の私は、この故事を 「皇帝に命じられた画家が竜に目を入れたら、絵ごと飛んでいった」 と、うろ覚えで書いていた。おおむね合っているが、原典はもう少し派手だ。

時は中国・梁の時代。名画家、張僧繇(ちょうそうよう)。 金陵の安楽寺の壁に、四匹の白竜を描いたが、どれにも目を入れなかった。

「目を入れれば、飛び去ってしまうから」

人々は信じず、目を入れろとせがんだ。 根負けした張僧繇が、四匹のうち二匹に目を入れると—— たちまち雷鳴がとどろき、壁を破って、二匹は天へ昇っていった。

そして、ここが肝心なのだが。 目を入れなかった残りの二匹は、壁に残ったのである。

🤔 三年前の「釈然としない」に、答えが出た

旧版で私は、こう書いていた。

通説では「肝心な仕上げを欠くのは良くない」という戒めなのに、 原典を読むと「最後の一線を越えたら、絵を失った」話に読める。 苦労した絵がなくなったのだから、目など入れなければよかったのでは—— どうにも釈然としない、と。

三年越しに、原典を読み直して、腑に落ちた。 鍵は、壁に残った二匹である。

目を欠いた竜は、手元に残る。 目を入れた竜は、完成した瞬間、作者のもとを去る。

つまりこの故事、「欠く」とは保存であり、 「点睛」とは、別れの儀式なのだ。

完成とは、作品が作者の壁を離れて、 世の中へ飛び立ってしまうこと。 張僧繇が目を入れたがらなかったのは、 未完成主義ではなく、たぶん、親馬鹿だったのである。

……どこかで聞いた病である。

🎨 絵の解説:永遠の「直前」

メインの絵は、白髪の絵師が、 壁一面の龍にまさに目を入れようとしている瞬間を描いた。

制作上の苦労を言えば、龍は近影にすると目は強調できるが 全体の威容がつかめず、遠影にすると目が潰れる。 「目」が主役のことわざだけに、この距離の取り方が難しかった。

そして今、あらためてこの絵を眺めて、気づいたことがある。

この龍が飛び去らないのは、筆が永遠に「直前」だからだ。

点睛の一瞬手前で時を止めることで、 絵の中の龍は、いつまでも絵師のそばにいる。 図らずもこの絵は、「欠く」ことの効能—— 手放したくないものは、完成させないこと——を描いていたらしい。

📮 ダウンロードボタンは、点睛である

ここで、当サイトの話に戻る。

絵を公開するとは、どういうことか。 誰かがダウンロードボタンを押すたび、 絵は作者の壁を離れて、見知らぬ誰かのもとへ飛んでいく。

——そう、ダウンロードボタンとは、点睛なのである。

出し惜しみしていた一点ものたちは、 言ってみれば、目を入れずに壁に留めていた竜たちだった。 先日、私はその全員に目を入れた。

15,000匹の竜が、いつでも飛び立てる壁。 それがこの町の、現在の姿である。 雷鳴は鳴らないが、台帳には一匹ずつ、旅立ちの記録が残る。

🪶 私見:詰めの甘い男の、答え合わせ

三年前の私見に、私はこう書いた。

「昔から詰めが甘いと言われ続けており、 物心ついてからずっと画竜点睛を欠いた状態です」

この体質は、今も治っていない。 だが張僧繇の故事を知った今、言い訳だけは上等になった。 詰めを甘くしておけば、竜は壁に残るのだ。 私は未完成なのではない。手放していないだけである。 (この理屈が家内に通用したことは、一度もない。)

なお旧版には「2024年は辰年。ドラゴンズ優勝しないかな」とも書いていた。 あの願いがどうなったかは、あえて答え合わせをしていない。 詰めの甘い男は、願いの回収も甘いのである。

辰年は過ぎたが、龍の絵の出番が消えたわけではない。 干支は十二年で必ず巡ってくる、気の長い季節商品だ。 次の辰年は2036年—— そのときこの壁の竜たちは、もう全員、目が入っている。

いつでも、飛べる。

その他格言

画竜点睛を欠く|50点欠けていた町に、目が入った日

作画:
「竜の描写、近影にすると目が強調されますが龍のイメージがつかみにくくなり、逆に遠影にすると目が強調できなくなります。なかなか難しいですね。
絵師が正に目を入れようとしている瞬間です。
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「画竜点睛を欠く|50点欠けていた町に、目が入った日」(その他格言)の解説(私見)
私は昔から詰めが甘いと言われ続けており、今も変わりません。物心ついてからずっと画竜点睛を欠いた状態です。
2024年は辰年。龍の絵を増産中です。正月が終わっても使ってほしいな。ドラゴンズ優勝しないかな。
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