# みからでたさび
み
身から出た錆
種類:江戸かるた
身から出た錆
現代社会の諸問題は、自らの選択と行動が引き起こした「身から出た錆」である。環境破壊、情報過多、人間関係の摩擦は、私たち自身が生んだ“自作自演のバグ”として、今まさに修正を迫られている。
現代社会は、まるで自分で書いたコードに自分でつまずくプログラムのようです。私たちが直面する多くの問題は、他人のせいではなく、自らの選択と行動が引き起こした“自作自演のバグ”――つまり「身から出た錆」なのです。
産業革命以降、人類は地球というOSに対して無制限にアクセスし、リソースを浪費してきました。プラスチックはキャッシュのように溜まり、化石燃料はCPUを焼き尽くすほどの負荷をかけています。その結果、気候変動というシステムクラッシュが起き、私たちは今、再起動できない地球の前で立ち尽くしています。
スマートフォンは現代人の“第二の脳”となりましたが、その脳は常に通知に追われ、アルゴリズムに操られています。フェイクニュースはウイルスのように拡散し、真実は検索結果の奥深くに埋もれてしまう。情報の洪水に溺れながら、私たちは自ら作ったSNSという迷路で出口を見失っています。
「既読スルー」「いいねの数」「DMの返信速度」――現代の人間関係は、まるで感情を絵文字で送信するような不確かな通信です。直接会って話すことが減り、誤解はバグのように蓄積されていく。人との距離を縮めるはずだったテクノロジーが、逆に心のファイアウォールを厚くしてしまったのです。
「身から出た錆」とは、単なることわざではなく、私たちが日々アップデートすべき倫理と選択のログなのかもしれません。現代社会のバグを修正するには、まず自分自身のコードを見直すことから始める必要があるのです。
身から出た錆