# ブラックホールの写真撮影を世界の知恵と最新技術を集め成功
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ブラックホール映す協力の証
種類:創作格言
ブラックホール映す協力の証
2019年、地球規模の電波望遠鏡網(イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT))を構築して成功したブラックホールの写真撮影。その実現には、電波望遠鏡の配置、データ収集と解析、資金調達および研究者間の協力など全世界的なさまざまな協力体制が必要でした。
子供のころ、親に何度目かの一生に一度のお願いをして手に入れた6インチ反射式望遠鏡で夜空を毎晩眺めていました。
そのような無垢な時代に「ブラックホール」なる存在を本で知り、この目でそれを見極めようと当てもなく望遠鏡をのぞいていました。
ブラックホールはカール・シュバルツシルトが、1916年にアインシュタインの一般相対性理論の方程式から、重力が極めて強い領域で物質が崩壊して、その質量が無限大に近づく極端な状態を作り出すことができることを提唱し、これがブラックホールの概念の最初の提唱とされています。
その後、1930年代には、スブラマニアン・チャンドラセカールが、ブラックホールの存在を初めて理論的に指摘したが、大御所の鶴の一声で黙殺されています。
その後、多くの科学者によりブラックホールの理論的に存在することが確証されていきました。
理論的にはあるかもしれないとは理解できる天体「ブラックホール」。しかし、なにしろ光さえも脱出できないのでその存在証明は困難でしたが、以下のような方法で間接的な証明はされてきました。
恒星運動の観測:ブラックホールは、その周囲の恒星やガスが重力によって引き寄せられ、非常に速い速度で回転することによって存在を示すことができます。このような恒星の運動は、ブラックホールの存在を示す明確な証拠となります。
重力レンズ効果の観測:ブラックホールの周りには非常に強い重力場が存在し、その重力場は光を曲げます。このため、背後にある天体の光が曲がることによって、ブラックホールの存在を示すことができます。これを重力レンズ効果と呼びます。
X線やガンマ線の放射観測:ブラックホールは、その周囲の物質が引き寄せられ、非常に高温のプラズマが形成されます。このプラズマはX線やガンマ線を放射するため、この放射を観測することによって、ブラックホールの存在を示すことができます。
2019年4月、国際的な研究協力によってブラックホールの写真が公開され、世界中で大きな話題になりました。その背景にはすばらしい国際協力があり、それを簡単にまとめてみました。
イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)の結成 2016年、国際的な研究チームが中心となって、EHTが設立されました。EHTは、電波望遠鏡を世界各地に配置し、ブラックホールの周りにある物質の光を観測することで、ブラックホールの存在や形状を捉えることを目的としています。
観測対象の選定 EHTは、2017年に行われた観測で、地球から約6,500光年離れた銀河「M87」の中心にあるブラックホール「M87*」を観測対象としました。M87は、ブラックホールを含む活発な天体であり、観測対象として適していると考えられました。
観測データの収集 EHTでは、2017年に複数回にわたってM87を観測し、電波データを収集しました。この際、地球上にある複数の電波望遠鏡を連動させ、超長基線電波干渉計(VLBI)と呼ばれる技術を用いました。VLBIは、地球上に分布する複数の望遠鏡を連動させることで、非常に高い分解能で天体の観測が可能になります。
データの解析と画像生成 EHTが収集したデータは、国際的な研究チームによって解析され、ブラックホールの存在や形状を示す画像が生成されました。この画像は、ブラックホールの周りに存在する物質の光が重力によって曲げられ、ブラックホールの影を形成する様子を捉えたものでした。
ブラックホールの写真公開 2019年4月、EHTが観測したM87の写真が公開され、世界中で大きな話題になりました。この写真は、ブラックホールの存在と形状を明確に捉えたものであり、ブラックホール研究に大きな貢献をしました。
ブラックホール映す協力の証