# ぬれぬさきのかさ
ぬ
濡れぬ先の傘
種類:その他格言
濡れぬ先の傘
「傘をさすこと」は国によって大きく異なる習慣です。日本では、わずかな雨でも傘をさす人が多く、一人あたりの傘の所持数は世界一の3.3本との調査結果があります。
「濡れぬ先の傘」ということわざは、未然に失敗を避けるために事前の準備を行うことを指します。同様の意味を持つことわざとして「転ばぬ先の杖」「備えあれば憂いなし」「念には念を入れよ」「石橋を叩いて渡る」などが存在し、これらの強力なライバルと競り合っているため、主力の座を射止めてはいません。しかし、本日は台風のため朝から荒れ模様の天気となっており、窓の外の雨を見つめながらこのことわざを再考することにしました。
唐突ですが、私の旅行での経験をお話しします。ニューヨークでの雨の日、バスに乗車しました。その日、バスは混雑し、座席はほぼ埋まっていました。私は空いている席を見つけて座りましたが、その席は濡れており、ベチャッとした不快な感覚が広がりました。ニューヨークでも雨の日には多くの人々が傘を利用しますが、傘をささずにレインコートやポンチョをまとって雨の中を平然と歩く姿も見受けられます。恐らく、その日は傘をささないでいた人が私の前に座っていたのだと考えます。
さて、傘をさす習慣の普及率は国によって大きく異なります。ウェザーニュース社が行った「Global Umbrella Survey」という調査によると、世界平均の傘所持本数は2.4本です。そして、最も傘を多く所持しているのは日本人で、平均3.3本です。
同調査では、「雨で服が濡れるのは気になりますか?」という質問に対する回答も収集されました。その結果、雨に濡れることを最も気にするのはイギリス人で、約4割が「とても気になる」と答えました。一方で、全く気にならないと答えた人々ではアメリカ人が最も多かったのです。
私のアメリカでのバスの不快な経験は、この調査結果と関連しているのかもしれませんね。
また、米国で「濡れぬ先の傘」ということわざを説明しても全く理解を得られない可能性があるでしょう。現代社会では、傘やレインコートへの意識の差だけでなく、個々の文化や環境によっても異なる傾向が見受けられることを考えると、非常に興味深いテーマです。
濡れぬ先の傘