# ていしゅのすきなあかえぼし
て
亭主の好きな赤烏帽子
種類:江戸かるた
亭主の好きな赤烏帽子
烏帽子は普通は黒色。
でも旦那さんが赤い烏帽子を好むならそれに合わせて奥さん・家族もそれを標準に。
烏帽子(えぼし)は、公家や官位のある武士が正装時にかぶる、先の曲がった帽子です。現代では、神奈川・湘南の烏帽子岩のほうが、むしろよく知られているかもしれません。
通常、烏帽子は黒色ですが、赤い烏帽子を好んだ男性がいました。これは一種のルール違反ですが、彼の妻は夫の選択を受け入れ、当然のように支持していました。ただし、妻が少しでも間違いを犯すと、「あの人の旦那は赤い烏帽子が好きな人だから…」と陰口を叩かれることもありました。
さて、これを現代の状況に置き換えてみましょう。今では、男性が赤い帽子をかぶることは何ら珍しくありません。ここでは、夫の好みを「蛙の着ぐるみを着ること」に例えてみます。妻は嫌がることなく夫の趣味を尊重し、彼に合わせた装いで外出しています。
ある日、妻の職場で新人が先輩社員に尋ねました。
新人:「あの美人の先輩、いつもグリーンのメイクをしていますね。緑が好きなんでしょうか?」
先輩:「違うよ。旦那さんの影響さ。亭主の好みが緑の烏帽子なんだよ。」
このことわざは、かつての日本社会における家庭内での男性の絶対的な権力を反映していました(いわゆる亭主関白ですね)。しかし、現代では男女平等の価値観が浸透し、家庭内の主導権や決定権は夫から妻や子どもたちに移りつつあります(少なくとも、我が家では)。そのため、このことわざの意味合いも時代とともに薄れつつあるようです。
亭主の好きな赤烏帽子