# おににかなぼう
種類:江戸かるた
三年前は「陳腐な絵だなぁ、無理な発想だったね」と自ら認めた記事。一から作り直し、行き着いたのは、長年の画力という鬼に、AIという金棒が加わった、自分自身の話。金棒に振り回されているのではない。振るっているのは、私のほうである。
鬼に金棒——もともと強い者が、 さらに強力な武器や条件を得て、手がつけられなくなること。
三年前、私はこのことわざに、こんな絵と文章をつけていた。
金棒をアップグレードして、光り輝く武器に進化させた鬼。 そして文章では、アップルがマイクロソフトを吸収する話や、 現代の警察・自衛隊の火力と鬼を戦わせる話が、 脈絡もなく飛び出してくる。
私見には、こう書いていた。
「陳腐な絵だなぁ。無理な発想だったね」
自己評価が、すでに答えを出している。 今回は、一から作り直すことにする。
まず、意味を整理し直したい。
このことわざが言っているのは、 本来、それほど複雑な話ではない。
すでに強い者に、それを増幅させる道具や条件が加わると、 手がつけられないほどの力になる。
それだけである。 近代兵器と戦わせたり、企業買収に例えたりする必要は、 そもそもなかった。
では、私自身の経験の中に、 このことわざが当てはまる場面はないか—— 探してみると、実は、すぐ近くにあった。
長年、絵を描き続けてきた。
一枚一枚、手で描き、色を塗り、 何十年もかけて、腕を磨いてきた。 その意味では、私は最初から、それなりに「強い鬼」だったと思う。
だが、一人の人間が描ける絵の数には、限界がある。 どれだけ腕があっても、一日に描ける枚数は決まっている。
そこに、AIという道具が現れた。
構図の提案、量産、キーワードの整理、 そして、こうして裏話やことわざの解説を書く作業まで—— 一人ではとても追いつかなかった仕事量が、 急に、現実的な範囲に入ってきた。
15,000点を超えるギャラリー。 17,000ページ超のインデックス。 毎日のように更新される裏話の連載。
これらは、私一人の腕だけでは、到底なし得なかった規模である。
もともと強かった鬼(長年の画力)に、 金棒(AIという増幅装置)が加わった—— これこそ、まさに「鬼に金棒」そのものだった。
ここで、大事なことを確認しておきたい。
金棒は、それ自体では何も生み出さない。 振るう鬼がいて、初めて意味を持つ道具である。
AIも同じだ。 何を描くか、何を書くか、どの絵を残し、どの絵を落とすか—— 判断しているのは、常に私自身だった。
金棒に振り回されているわけではない。 私が、金棒を振るっている鬼のほうである。
この順番だけは、間違えないようにしたい。
三年前の絵——光る金棒を持つ鬼——は、 コンセプトとしては、実は間違っていない。
強い者に、強力な道具が加わる。 そのビジュアル化としては、悪くなかったのだ。
問題は、絵ではなく、 その周りに付けた文章のほうにあった。
金棒を眺めて、近代兵器と比べる代わりに、 自分自身の金棒が何なのかを、 最初から考えればよかったのである。
鬼に金棒とは、誰か他人の話でも、 架空の武力比べの話でもなかった。
長年鍛えた腕を持つ者が、 新しい道具を手にしたときに起きる、ごく身近な現象である。
そして今、私はその現象の、真っ只中にいる。
鬼に金棒

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