蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ

# くものすにあさつゆかかればはれ

蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ

蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ のメイン画像
2023/07/03

種類:その他格言
蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ

「蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ」は昔から伝承されている「観天望気」の一つですが、その真贋はどうでしょうか。考察してみました。


広告

天気の言い伝え

天気予報のない時代には、人々は身の回りの現象から経験的に天気を予測し、今日や翌日の天候を占ってきました。これがいわゆる「観天望気」というものですね。諺でも格言でもありませんが、広く伝承されているものがあります。その中に「蜘蛛の巣に朝露がかかれば晴れ」という言い伝えもあります。

ここで、この言い伝えの真偽について考察してみましょう。

それは真

まず、前日の夜が晴れなら翌日は晴れることは多いと仮定します。

次に、結露ができる条件を考えてみます。

  1. 温度と湿度の関係: 空気中の温度が下がると、その空気が保持できる水蒸気の量が減少します。つまり、空気中の湿度が上昇します。

  2. 飽和: 温度が下がると、ある一定の湿度に達すると空気中の水蒸気が飽和状態になり、余分な水蒸気が凝結しやすくなります。

  3. 凝結核: 凝結が始まるには、水蒸気が凝結するための凝結核が必要です。これは微小な粒子や微生物、塵などが必要となります。

さて、前の日の夜に晴れていると、地表の熱は放射冷却と呼ばれる現象によって空の方向へと逃げていきます。その結果、気温が下がります。気温の低下により、空気中の水蒸気が飽和状態になります(1, 2の状態)。

蜘蛛の糸の表面は非常に細かな突起があり、微粒子が集まったような状態です。そのため、蜘蛛の糸は凝結核の役割を果たします(3の状態)。

特に夜間や早朝の場合、気温は非常に低くなり、水蒸気の凝結が急速に進行します。

以上のように、前日の夜が晴れていて放射冷却が起こると蜘蛛の糸に朝露が生じやすくいと考えられます。

言い伝えになんとなく理論付けできましたね。言い伝えは真です。

その他格言

蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ

作画:
蜘蛛の巣の露が朝日にきらめいている様子は非常に美しいですね。子供の頃は路地裏などでよく見かけました。しかし、最近では蜘蛛の巣をあまり見かけることがありません。貧乏くさく見えるために取り払われているのでしょうか、それとも蜘蛛自体が減ってしまったのでしょうか。ちょっと寂しいですね。
蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ のメイン画像
「蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ」(その他格言)の解説(私見)
「猫が顔を洗っていたら雨が降る」「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」など、動物と天気の関連性についてはさまざまな言い伝えがあります。これらの言い伝えにはそれぞれ一定の理由が存在しそうです。機会があれば、これらにまつわる観天望気の言い伝えをまとめてみましょう。
気象予報士を目指してちょっと勉強中。
イラストご利用の注意:掲載のイラストは「イラストご利用の注意」に沿い、ご利用いただくことが可能です。

コメント欄を読み込み中

≡ いろはかるた一覧
  clickで展開



広告