# くものすにあさつゆかかればはれ
く
蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ
種類:その他格言
蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ
「蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ」は昔から伝承されている「観天望気」の一つですが、その真贋はどうでしょうか。考察してみました。
天気予報のない時代には、人々は身の回りの現象から経験的に天気を予測し、今日や翌日の天候を占ってきました。これがいわゆる「観天望気」というものですね。諺でも格言でもありませんが、広く伝承されているものがあります。その中に「蜘蛛の巣に朝露がかかれば晴れ」という言い伝えもあります。
ここで、この言い伝えの真偽について考察してみましょう。
まず、前日の夜が晴れなら翌日は晴れることは多いと仮定します。
次に、結露ができる条件を考えてみます。
温度と湿度の関係: 空気中の温度が下がると、その空気が保持できる水蒸気の量が減少します。つまり、空気中の湿度が上昇します。
飽和: 温度が下がると、ある一定の湿度に達すると空気中の水蒸気が飽和状態になり、余分な水蒸気が凝結しやすくなります。
凝結核: 凝結が始まるには、水蒸気が凝結するための凝結核が必要です。これは微小な粒子や微生物、塵などが必要となります。
さて、前の日の夜に晴れていると、地表の熱は放射冷却と呼ばれる現象によって空の方向へと逃げていきます。その結果、気温が下がります。気温の低下により、空気中の水蒸気が飽和状態になります(1, 2の状態)。
蜘蛛の糸の表面は非常に細かな突起があり、微粒子が集まったような状態です。そのため、蜘蛛の糸は凝結核の役割を果たします(3の状態)。
特に夜間や早朝の場合、気温は非常に低くなり、水蒸気の凝結が急速に進行します。
以上のように、前日の夜が晴れていて放射冷却が起こると蜘蛛の糸に朝露が生じやすくいと考えられます。
言い伝えになんとなく理論付けできましたね。言い伝えは真です。
蜘蛛の巣に朝露かかれば晴れ