秋のイラストを見直していて、気づいたことがある。
紅葉した街路樹の下を歩く女性、 落ち葉を踏みしめながら進む後ろ姿、 色づいた並木道の遠景——
「歩く秋」の絵は、すでにたくさんあった。
だが、探しても、探しても、見つからないものがあった。
落ち葉を一枚つまんで、じっと見つめている女性の絵。
これが、なかった。
考えてみれば、不思議な話である。 秋の情景を撮った写真でも、絵でも、 誰かが足を止めて、落ち葉を一枚だけ拾い上げ、 色や葉脈をしげしげと眺める—— あの仕草は、秋の記憶として、誰もが心当たりのあるものだろう。
歩く秋は、環境としての秋、遠景の秋である。 手に取る秋は、もっと個人的で、もっと近い秋だ。
これだけ需要がありそうな構図を、 今まで見落としていたとは、我ながら灯台下暗しである。
というわけで、 「落ち葉をつまんで眺める若い女性|秋を感じる女性のイラスト」 を制作した。
今回、面白いのは、色調である。
鮮やかなパレット(151a-azp)、 シンプルな色使い(151a-mc)、 そしてパステル調(151a-pastel)——
当ギャラリーの三つの色調ジャンルが、 初めて、同じ題材の上で顔をそろえた。
はしゃぐ青空の下で葉を見つめる子、 線画に近い、繊細なタッチの子、 淡い色調で、じっと目を伏せる子。
同じ仕草、同じ落ち葉を持ちながら、 三者三様の秋が、そこにある。
歩く秋は、もう十分にある。
今日からは、立ち止まって、 一枚の葉をじっと見つめる秋も、選べるようになった。
季節の絵に、遠景だけでなく、近景も揃った—— 今回の新作は、そういう意味でも、 埋まっていなかった穴を、ちゃんと埋めてくれたと思う。
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