# イラスト:自信満々に晴天の都会の街を歩いているビジネスウーマン
イラスト:自信満々に晴天の都会の街を歩いているビジネスウーマン
ストックイラストを登録するとき、当然ながら「高評価され、ダウンロードされる」ことを目指して、さまざまな工夫を重ねる。
その第一歩が 需要予測 だ。
広告、雑誌、企業サイト、SNSバナーなどを観察すると、近年は「働く女性」をテーマにしたビジュアルが明らかに増えている。
電通が2023年に発表した「広告表現トレンド調査」では、企業広告に登場する人物のうち女性ビジネスパーソンの登場率は10年前の約2.5倍に増加したとされる(※広告業界誌の分析より)。
背景には、企業のダイバーシティ推進や、女性管理職比率の向上を掲げる企業が増えたことがある。
こうした流れを踏まえ、私は「女性ビジネスマン(ビジネスウーマン)」の需要が高いと判断した。
実際、広告やWebデザインの世界では、前向きで自信に満ちた女性像が好まれる傾向が強い。
Adobe Stockが2024年に公開した「人気検索キーワードランキング」でも、
“business woman” “confidence” “leadership” といったワードが上位に入っている。
つまり、ただ働く女性ではなく、
「自信」「前進」「ポジティブさ」
を象徴するビジュアルが求められているのだ。
そこで私は、
「自信満々に晴天の都会の街を歩くビジネスウーマン」
というテーマで複数のバリエーションを制作した。
結果は驚くほど均等だった。
ほぼすべてのイラストがまんべんなくダウンロードされた。
これは、単に「当たりテーマ」だったというだけでなく、
広告・Web制作側が“使いやすい”汎用性の高い構図
だったことも大きい。
ここで少し視点を変えてみたい。
日本では「働く女性のイメージ」が広告で多用される一方、
実際の女性管理職比率は先進国の中で依然として低い。
日本はOECD加盟国の中でも下位に位置している。
さらに、内閣府の「男女共同参画白書(2024)」によると、
女性役員比率は12.7% と、こちらも主要国と比べて低い。
広告で「颯爽と働く女性」が求められるのは、
企業が「そうありたい」と願う未来像を投影しているからだ。
つまり、
理想像としてのビジネスウーマンが必要とされている
ということでもある。
これは裏を返せば、
現実の社会ではまだ十分に実現されていないからこそ、
広告で補う必要がある
とも言える。
私のイラストが均等にダウンロードされたのも、
「現実よりも、広告の中の女性像のほうが先に進んでいる」
という構造の一端なのかもしれない。
ストックイラストの世界は、社会の“今”を映す鏡だ。
需要の変化を追っていると、
社会がどこに向かおうとしているのか
が見えてくる。
今回のシリーズ制作を通じて、私は次のように感じた。
「女性が颯爽と働く姿が求められるのは、
日本がまだその姿を“理想”として追いかけている段階だからかもしれない。」
クリエイターとして、
こうした社会の変化を敏感に読み取りながら、
時代の“理想像”を描き続けることには大きな意味がある。
そして、いつか広告の中だけでなく、
現実の街でも、もっと多くの女性が自信を持って歩く姿が当たり前になる日が来る
ことを願っている。
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