「寂しそうに壁に寄りかかる女の子|孤独と哀愁を感じる女性の人物イラスト」
パステルと水彩調で、色彩のトーンを思い切り落とした一枚である。 壁に背をもたれ、視線を落とした女の子。 華やかさの対極にある、静かな絵だ。
同じような孤独のテーマは、これまでにも何度か手がけてきた。 ただ今回は、二つの点を意識して作り直した。
秋のアンニュイな感じによろしいと思います。
先に、一つだけ断っておきたい。
これは、あの因縁の「シンプルな色使い」シリーズではない。
色数を絞った平面的な塗りではなく、 パステルと水彩の、淡いグラデーション。 色彩のトーンを落としたのであって、 色の種類を削ったわけではない。
似て見えるかもしれないが、技法としては別物である。 これまで二連敗してきたあのシリーズの仲間に、 今回はしたくない——という、いくらか気弱な予防線だが、 書いておかずにはいられなかった。
もう一つの工夫は、余白である。
以前、「コピースペース付きイラストは本当に売れるのか」という 検証記事を書いたことがある。 白壁の絵は、期待したほど売れなかった、という苦い記録だ。
その反省を踏まえつつ、今回はあらためて、 コピースペースを広めに確保して制作した。
女の子は画面の端に寄り、 残りの空間には、見出しやキャッチコピーを 自由に配置できるようにしてある。 実用性という点では、かなり計算したつもりだ。
もっとも、制作しながら、あらためて実感したことがある。
寂しさや哀愁は、ポジティブな広告には使いにくい。
以前、「否定的な表情のイラストはなぜ売れない」という記事で、 笑顔が支配するイラスト市場の話をした。 今回の絵も、その市場から見れば、明らかに異端である。
新商品のキャンペーンにも、明るい企業広告にも、 この表情は似合わない。
だが、使い道が無いわけでは決してない。 メンタルヘルスを扱う記事、孤独や生きづらさをテーマにした特集、 静かな詩情を必要とするコラム—— 明るさではなく、共感を求める場面には、むしろこちらが似合う。
華やかな絵ばかりが、世の中の全部ではない。
コピースペースという実務的な工夫と、 陰の感情という難しい題材を、あえて一枚に同居させてみた。
派手な出番は少ないかもしれない。 それでも、静かな記事の片隅で、 そっと寄り添う仕事は、きっとある。
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