イラスト:夏の昼下がり、白いドレスを着て街歩きをしている若い女性
イラスト:夏の昼下がり、白いドレスを着て街歩きをしている若い女性
このサイトの「イラスト裏話」は、 売れた理由、売れなかった理由、台帳の謎—— 過去を振り返る記事が中心だった。
だが、絵は今日も生まれ続けている。 過去帳ばかりでは、できたての絵に日の目が当たらない。
というわけで、本日より新コーナー 「新作紹介」を始めることにした。
出来立ての絵を、まだ何の実績もないうちに、 とにかく紹介する。売れるかどうかは、後で台帳が教えてくれる。 今日はただ、生まれたばかりの一枚を、見てほしい。
第一弾はこの絵—— 「夏の昼下がり、白いドレスを着て街歩きをしている若い女性」。
都会の交差点、夏の日差し、行き交う人々。 その真ん中を、白いワンピースの女性が、 風にひらめく裾とともに歩いていく。
清楚で、涼しげで、見ているだけで、なんだか嬉しくなる。 説明はこれで十分だと思う。理屈より先に、良い絵である。
いつものように、白状しておく。
この絵を描きながら、私は家内の若い頃を思い浮かべていた。
昔の家内は、こんな感じだったかもしれない。 結構、可愛らしかったのだ。 ——本人には、たぶん一生言わない類の台詞を、ここに記しておく。
出会った頃の記憶を膨らませて描く、というのは、 この連載で何度も白状してきた私の癖である。 街角に佇む彼女も、一人旅の彼女も、みな同じ根から生えている。
今回もまた、同じ根から、一輪、白い花が咲いた。 夏の交差点を歩く彼女の裾には、 半世紀近く前の、誰かの若い日が、少しだけ透けている。
新作紹介コーナーは、不定期にお届けする予定である。
生まれた絵が、いつか裏話コーナーに戻ってきて、 「実はこれ、○件しか売れませんでした」 「実はこれ、一日で○十点売れました」と、 台帳の物語を背負って再登場する日が来るかもしれない。
その日を待ちながら、今日はまず、 白いドレスの彼女の、初めての街歩きを見送りたい。
行ってらっしゃい。
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