新作紹介、と銘打っておいて、いきなり訂正から入る。
これは、新作ではない。
生成AIによる作画が世に出始めた頃—— つまり、かなり初期に量産して、 そのままお蔵入りさせていたシリーズである。
日の目を見ていなかっただけで、生まれてからは、 もう結構な時間が経っている。 新作というより、新規公開というのが正確なところだ。
当時、なぜこのシリーズを作ったのか。
理由は単純明快で、こう記録しておく。
AI美人を、たくさん作りたかった。
営業戦略も、需要予測も、何もない。 ただ、新しい技術で美しいものをたくさん出力できることが楽しくて、 気づけば50点近くまで、増えていた。
以前、この連載で「惚れた絵は売れない」という話を何度もしてきたが、 今回はその極端な事例である。 惚れすぎて、市場に出す前に隠してしまった絵なのだ。
正直に言う。このシリーズ、PIXTAに載せるのも恥ずかしかった。
需要を計算した絵でもなく、依頼に応えた絵でもない。 ただ「美しい女性をたくさん見たい・作りたい」という、 ほとんど私欲だけで生まれた50点である。
それくらい、日の当たる場所に出す準備を、 長らくしていなかった、ということだ。
ここで、少しうんちくを挟みたい。
ゴシックロリータ——通称ゴスロリ——は、 「ゴシック」と「ロリータ」という、 どちらも西洋由来の言葉を組み合わせているが、 このファッション様式そのものは、日本発祥とされている。
ヴィクトリア朝やロココ調のヨーロッパの装いを下敷きにしながら、 そこに日本独自の「かわいい」の感性を掛け合わせ、 一つの確立したスタイルに仕立て上げた。 西洋の素材を輸入し、日本で独自に発酵させ、 今度は逆輸出する—— 着物からアニメまで、日本の文化にはよくある成功パターンだ。
以前、ハロウィンの記事でも書いたが、 私はこのゴシックロリータというスタイルが、大変好きである。 ゴシックの荘厳さと、ロリータの愛らしさ。 その同居が、たまらなく魅力的に映る。
つまり今回の50点は、あの記事で語った「好き」が、 どれほどの物量になって表れていたかの、動かぬ証拠でもある。
長らく隠していたこのシリーズを、 なぜ今、公開することにしたのか。
理由は二つある。
一つは、ハロウィンとの相性の良さだ。 ゴシックロリータは、今やハロウィンの定番衣装の一つになっている。 季節ものとして、十分な実用性がある。
もう一つは、今後の需要が見込めることだ。 ダークで幻想的な雰囲気を持つイラストは、 物語性のある記事やコンテンツで、根強く求められている。
私欲で生まれた絵が、時を経て、実用品としても通用する—— これもまた、悪くない巡り合わせだと思う。
というわけで、初期の物欲の産物、約50点を、 このたびまとめて公開することにした。 掲載にあたり、キーワードもひととおり整えた。
隠していた期間の長さを思うと、 少し照れくさい気持ちもあるが—— 好きで作ったものを、いつまでも隠しておく理由もない。
ようやくの、お披露目である。
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